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地味な花が派手な花に負けずハチを惹きつける―マルハナバチの実験で実証:京都大学/筑波大学ほか

(2026年3月16日発表)

 京都大学、筑波大学などの共同研究グループは3月16日、ハチを惹きつける派手(はで)さのない地味な花が派手な花に負けずハチを惹きつけることをマルハナバチで実証したと発表した。

 昆虫や鳥などの動物に花粉を運んでもらう植物は、花粉を運んで子孫を残してくれる動物を惹きつけるため花の色や形、香りといった形質(形や特徴)を様々に進化させてきた。

 一方、ハチの方も、花の形質だけを頼りにして蜜が得られる植物を探しているわけではなくて、他のハチがどこでどのような花に接しているのかを知ろうとしており、マルハナバチなどは自分より先に訪れている先客の行動なども手掛かりにしているといわれている。

 ハチは、先客のいる花を見つければ餌探しにかかる時間やエネルギーを減らしたり捕食者のいない安全な餌場を見つけたりでき、マルハナバチは学習能力が高く、いったん見つけた花をしばらくの間集中的に利用し続ける性質を持っていることが知られている。

 そこで今回研究グループは、組み換え植物の栽培などに使われている膜で外気を遮断した大型の網室(27m×11m×高さ2m)を野外に設置してハチに好まれ易い色と、逆に好まれにくい色の2種類の花の集団(花パッチ)をセットしハチが花パッチと巣を往復してショ糖液を巣に集める様子を観察・解析しどちらの花色を最終的な採餌先に選ぶかを調べた。

 その結果、先客のいる地味な花が派手な花に負けずハチを惹きつけていることが分かった。

 実験は、新たな餌を探しているマルハナバチが、花色を手掛かりにして巣と花パッチの間を15往復するまでを追跡し、その往復を通してハチが安定して通うようになった花パッチの花色をそのハチが採餌対象として選択した花と見るという方法で行なった。そして、先客を配置した花パッチと配置しない花パッチを用いて、ハチに選ばれる割合を比較した。