[編集発行] (公財)つくば科学万博記念財団 [協力] 科学技術振興機構(JST)・文科省研究交流センター

つくばサイエンスニュース

トピックスつくばサイエンスニュース

アニメや文学、映画の人工知能(AI)は、人間と対等な仲間として描かれてきた―対話型AIや教育支援AIの設計などに貴重な視点を提供:筑波大学

(2026年1月23日発表)

 筑波大学システム情報系の星野 准一・准教授は、映画やアニメ、ゲームなどに描かれてきたAIを体系的に分析し、その結果を1月23日に発表した。AIはかつての技術的、道具的な存在から、いまや人間を支援し、共に行動する仲間、さらには対等なパートナーへと高度に役割を変化させながら描かれているとしている。 

 AIは映画や文学、アニメ、ゲームなどのフィクションの世界に大量かつ急速に登場している。さらにビジネスや医療、教育現場などに広範に受け入れられ、もはや人間にとって欠かせない存在になってきた。

 そこで星野・准教授は、1950年代から2020年代までに発表された映画やアニメ、文学、ゲームに登場する代表的な42作品を詳細に分析した。

 特にAIが物語の中で明確な役割を持ち、人間と継続的に関わる存在として描かれている点を基準に選定した。

 分析のポイントは、「AIキャラクターの名前」「人間との関係性」「自律性」「感情表現」など複数の観点で捉え、AIキャラクターによる物語中のしゃべり言葉や行動表現を基に整理した。

 AIが主人公として物語の中でどのように振る舞うかの「ナラティブ分析」や、人間をどう知覚しているかの「マインド認識」など理論的基盤を基に整理し、AIキャラクターの類型を2次元に可視化した。

 その結果AIキャラクターは、単なる道具的な存在から次第に人間を支援し、共に行動する仲間、さらに対等なパートナーへと段階的に高度に変化させながら描かれてきたことが明らかになった。

 こうした変化を星野・准教授は、「ひとがAIをどのような存在として理解し、受け入れているかの文化的認識の変化を反映している」としている。

 今後この結果を対話型AIや教育支援AI、メタバース空間でのAIキャラクターの設計指針などに活用できるとし、さらにAI倫理やAIの社会受容に関する議論にも理論的な基盤として使えると見ている。