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テラヘルツ光でガラスのボソンピーク検出に成功:筑波大学ほか

(2016年12月26日発表)

 筑波大学と立命館大学は12月26日、ブドウ糖の非晶質状態であるグルコースガラスをテラヘルツ(THz)光で観測し、どんなガラスにも普遍的に現れるボソンピーク(BP)励起(れいき)という現象を観測することに成功したと発表した。BPの起源の解明などへの貢献が期待されるという。

  テラヘルツ(テラは兆)帯の普遍的励起であるボソンピークはガラスの未解決問題と言われている。非弾性中性子散乱やラマン散乱などで観測されてきたが、その起源についてはまだ統一的な解明がなされていない。

  研究グループは今回、この観測にテラヘルツ光を用い、テラヘルツ時間領域分光(THz-TDS)という分光法によって、グルコースガラスを対象にボソンピークの検出を試みた。またラマン分光も併せて行った。

  その結果、テラヘルツ分光でボソンピークの観測に成功、テラヘルツ光がボソンピークを見る“新たな目”であることを確認した。

 テラヘルツ分光とラマン分光で得られたスペクトルの比をとることによって「比光振動結合定数」というボソンピーク評価の新しい手法を考案、これにより、グルコースガラスのテラヘルツスペクトルが、従来提案されていた理論モデルから逸脱するという異常も見出した。

 この異常は何らかの新しいガラスのカテゴリーの存在を暗示し、その起源解明はボソンピークダイナミクスの本質の理解にもつながるとしている。