人工衛星「いぶき」が捉えたアイスランドの火山噴火の噴煙写真を公開
:国立環境研究所

 (独)国立環境研究所は4月20日、地球を周回している日本の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)を使ってアイスランドで起きている火山噴火の噴煙の様子を写した写真を公開した。
 アイスランドの火山噴火は、首都レイキャビクの東南東約100kmにある氷河周辺にある火山で起きたもので、今年の3月下旬から断続的な火山活動が観測され、4月14日と17日の大規模な噴火に発展した。この大噴火による噴煙は、欧州の広範な範囲に広がったため、旅客機の運休、空港の閉鎖などが欧州各国で多発した。
 「いぶき」は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が環境省、国立環境研と共同で開発し、2009年1月23日に打ち上げた衛星で、北極と南極を南北に結ぶ高度666kmの軌道を1周98分で周回している。
 今回の火山噴火撮影は、「いぶき」搭載の雲エアロソルセンサーと呼ばれる地表面や雲から反射されてくる近赤外域、可視域、紫外域の太陽光を観測するセンサーを使って行った。「いぶき」は、同センサーで全球撮影(全地球の撮影)を3日毎に実施しているが、4月15日以降に写した画像にアイスランドから欧州大陸に広がる噴煙の様子が鮮明に捉えられていたことが判明した。
 写真の画像は、その内の1枚で、4月15日に欧州上空を4回通過した際に撮影した画像を重ねて作成した。写真の左上の小さな赤三角が噴火した火山。その噴煙が左下の英国や、中央部のスカンジナビア半島、さらには右側の欧州大陸内部まで広がっているのが分かる。

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