(独)農業・食品産業技術総合研究機構は6月23日、レタス栽培で大きな問題になっている「レタスビッグベイン病」と呼ばれるウイルス病に強い抵抗性を持つレタスの新品種を開発したと発表した。
同機構の野菜茶業研究所、東北農業研究センター、近畿中国四国農業研究センターが共同で育成したもので、品種名は「フユヒカリ」。冬(フユ)に収穫し、レタスビッグベイン病に悩む被害産地の希望の光(ヒカリ)になることを願って名づけたという。
レタスビッグベイン病は、土壌から伝染するウイルス病で、発症すると葉脈付近の緑色が退色して葉脈(vein:ベイン)が太く(big)見えるようになることからレタスビッグベイン病の名がついた。発症するとレタスの玉が小さくなって収量が低下したり、結球しなくなったりし、一度発生するとレタスの栽培をやめない限り根絶することができないといわれる。
この難病害は、秋に種をまき1~2月に収穫する「秋まき厳寒期どり」のレタスで起こり、兵庫県、香川県をはじめ多数の県で発生し、現在も拡大している。
新品種は、既存の品種より強いレタスビッグベイン病抵抗性を示し、収量的にも優れ、既存の秋まき厳寒期どりの代表品種より20%以上の増収が期待できるという。
同機構は、既に品種登録出願を終えており、今後利用許諾契約を種苗企業と締結していくことにしている。
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No.2009-25
2009年6月22日~2009年6月28日