燃料にLNG使う次世代ロケットエンジンの燃焼試験に成功
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月24日、次世代ロケットエンジンの一つとして研究開発を進めているLNG(液化天然ガス)エンジンの地上燃焼試験を同日、(株)IHIの相生事業所(兵庫・相生市)で行い、予定の60秒間の燃焼に成功したと発表した。
 LNGエンジンは、燃料にLNG、酸化剤に液体酸素を使うロケットエンジン。液体水素を燃料とする現用のロケットエンジンより性能面では劣るものの、安価で爆発の危険性が低く、再使用型の大型ロケットや惑星探査機などに適していることから、日本、米国、欧州などが研究開発を進めている。
 中でも日本は、世界初の実用化を目指しており、民間7社が出資して設立した(株)ギャラクシーエクスプレスが現在開発中の2段式液体ロケット「GXロケット」の2段目にJAXAのLNGエンジンが使われる計画になっている。
 それに対応するため、JAXAは、LNG実機型エンジンの地上燃焼試験を12回にわたって実施することを先に発表している。
 今回行った燃焼試験は、12回の内の2回目で、「初期作動確認試験」と呼ばれ、1回目が僅か5秒間だったのに対し、その12倍の60秒間にわたる燃焼を行い「エンジンが正常に作動することを確認した」という。
 今後は、燃焼時間を更に長くして、最長600秒までもっていくことにしている。

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LNG実機型エンジンの地上燃焼試験(提供:宇宙航空研究開発機構)