月周回衛星「かぐや」、6月11日に月面に落下
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月21日、月周回衛星「かぐや」を6月11日午前3時30分(日本標準時)頃、月の表側の東経80度、南緯61度付近に落下させることになったと発表した。
 この落下予測位置は、月面の日影部分にあたることから、衝突閃光を観測できる可能性が僅かにあるものと見込んでおり、落下予測日時と位置情報を国内外の関係機関に連絡している。
 「かぐや」は、2007年9月14日午前10時31分に同機構種子島宇宙センター(鹿児島)から「H-ⅡA」ロケットで2機の子衛星「おきな」・「おうな」と共に打ち上げた月探査機で、主な目的は月の起源と進化の解明のための科学データ取得と、月周回軌道への投入や軌道姿勢制御技術の実証を行うことだった。
 「かぐや」は、高度約100kmの円軌道に投入され、約10カ月間の定常運用の後、2008年11月1日から後期運用に入り、2009年2月以降はより低高度での詳細な観測を続けていた。
 「かぐや」には、14種類のミッション機器が搭載され、月表面の元素組成、鉱物組成、地形、表面付近の地下構造、磁気異常、重力場などの観測を全域にわたって行い、米国の「アポロ計画」以来最大規模の本格的な月探査が行われた。

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月を周回する「かぐや」の想像図(提供:宇宙航空研究開発機構)