(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月16日、同機構の筑波宇宙センター(茨城・つくば市)にある無人補給機「HTV」運用管制室を報道関係者に公開した。
HTVは、「H-II Transfer Vehicle」の略称で、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」に食糧や実験装置などを運ぶ日本初の宇宙補給機。初号機が9月以降に同機構種子島宇宙センター(鹿児島)から次世代の主力ロケット「H-IIB」で打ち上げられる。公開した運用管制室は、宇宙空間でのHTVの飛行制御や監視を行うコントロールセンターで、昨年1月に完成した。
HTVは、直径4.4m、全長10m弱、打ち上げ時重量16.5tの円筒形をした宇宙船で、H-IIBロケットの先端に付けて打ち上げ、最大6tの補給物資を約400km上空の軌道上にあるISSに送り届け、用途を終えた機器・衣類などを回収して大気圏に再突入し燃え尽きる。ISSとのドッキング、離脱という高度な無人の遠隔操縦を伴うが、それら一連の監視とコントロールをNASA(米航空宇宙局)と連携を取りながら行うのが公開された運用管制室で、すでにNASAとの合同訓練を30回以上行っている。
公開したこの日もHTVをISSに接続する際、トラブルが発生したとの想定で約20人のスタッフが参加してNASAと連絡を取り合う訓練が行われた。
No.2009-15
2009年4月13日~2009年4月19日