(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月26日、オーロラ現象と大気の運動を観測するため、ノルウェー北部のアンドーヤ基地から同日1時15分(日本時間同9時15分)に小型観測ロケット「S-310-39号機」を打ち上げ、実験に成功したと発表した。詳細なデータ解析は、今後日本で行う。
同ロケットは、計画通り約7分間飛行。高度約140kmに達した後、アンドーヤ北方海上に着水した。同様の実験(「DELTA-1」)は、2004年12月に行われており、今回は理解を更に深めるための第二弾。
下部熱圏と呼ばれる高度90~150kmの領域では、オーロラ現象を引き起こすような大きなエネルギーが高高度から注入され、大気が激しく複雑な運動をする。そこでの広範囲な大気の風を観測し、その領域の大気力学と熱エネルギー収支の解明を目指した総合観測を行うのが今回の実験の目的。
地上観測は、アンデネス(ノルウェー)、トロムソ(同)、アビスコ(スウェーデン)の3地点で行われ、クレムゾン大学(米国)、北海道大学 、名古屋大学、高知工科大学、ロンドン大学(英国)、極地研究所などの研究陣が各種の計測を担当した。
No.2009-4
2009年1月26日~2009年2月1日