(独)日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構の共同運営組織であるJ-PARCセンターは1月28日、東海村(茨城)に建設中の大強度陽子加速器施設「J-PARC」で、3段(3台)ある粒子加速器の最終段の50ギガ電子ボルト(500億電子ボルト)シンクロトロンで陽子(水素の原子核)ビームを光速に近い30ギガ電子ボルトまで加速、そのビームを約250m離れた原子核・素粒子実験施設(ハドロン実験施設)に入射することに成功したと発表した。 同センターは、さらにハドロン実験施設の試運転を続けて次第に出力を上げ、2月下旬には本格的な利用運転を開始、大強度陽子ビームを標的に当てて発生するK中間子やパイ中間子などの2次粒子ビームを用いた素粒子物理学や原子核物理学の研究を推進する。 J-PARCには、ハドロン実験施設に加えて、物質・生命科学とニュートリノの実験施設があり、物質・生命科学実験施設は一足早く昨年12月に稼働を開始している。ニュートリノ実験施設も今年4月からの供用開始を目指し整備が進んでいる。 J-PARCの最終段加速器である50ギガ電子ボルトシンクロトロンは、一周約1,600m、直径約500mの我が国最大の陽子加速器で、昨年12月に最初の目標である30ギガ電子ボルト(光速の約97%のスピード)まで陽子を加速するのに成功している。 詳細はこちら |  |
加速した陽子ビームの入射成功に沸く研究陣(提供:J-PARCセンター) |
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