宇宙技術の異分野への利用で群馬大学など4機関と共同研究・研究協力を実施:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月20日、次期X線天文衛星(第26号科学衛星「ASTRO-H」)に搭載する宇宙X線やガンマ線観測の検出器を開発した技術を宇宙科学以外の異なる分野へ展開するため、群馬大学、(独)日本原子力研究開発機構、(独)理化学研究所、(財)高輝度光科学研究センターとそれぞれ共同研究や研究協力をすることになったと発表した。
 ASTRO-Hは、2013年度に打ち上げを予定しているX線天文衛星で、軟X線・硬X線撮像分光・軟ガンマ線観測などによる広帯域観測をこれまでにない高感度で実現し、宇宙科学究極の目標「宇宙の構造と進化」の解明に迫ることを目標にしている。ASTRO-Hに搭載する硬X線撮像検出器や軟ガンマ線検出器は、10年以上にわたる各分野の研究を統合した我が国独自の技術によって開発されたもので、国際的にも高く評価されている。
 最近の研究で、これらの検出器やその性能を引き出すための先端的基盤技術は、医療、創薬、ライフサイエンス、環境、新素材など広い分野の検出器に有効に使用できることが明らかになり、JAXAでも宇宙科学と異なる分野への展開について共同研究や研究協力を実施することになった。
 群馬大学とは重粒子線治療に関する医学応用研究、日本原子力研究開発機構とは環境・食糧問題の解決をめざしたライフサイエンスへの展開についての研究、理化学研究所とは創薬・疾患診断の革新へ向けた分子イメージング装置の研究、高輝度光科学研究センターとは大型放射光施設「SPring-8」での放射光利用研究を行う。

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