(社)ニューガラスフォーラムは8月19日、三次元構造体の情報を書き込んだガラス・ホログラムを通して超短パルスのレーザー光を極薄ガラス内部に照射、一辺が60µm(マイクロメートル、1µmは100万分の1m)のガラス空間内に数nm(ナノメートル、1nmは10億分の1m)大の米粒状構造物24個を層間隔2.5µmで24層にわたってラセン状に一括加工することに成功したと発表した。
加工に要する時間は、使用レーザーの1パルスの発光時間である1フェムト(1フェムトは10兆分の1)秒以下。24層もの三次元構造物が10兆分の1秒以下の時間で紙より薄い領域に一括加工されたのは、これが世界初。
このプロジェクトは、同フォーラムなどが2006年度から5年計画の「三次元光デバイス高効率製造技術」として新エネルギー・産業技術総合開発機構から受託して進めている。
フェムト秒レーザーは、発光パルスのエネルギーが非常に高いので、照射点で物質の性質が変化する。この現象を利用してデバイスを作るのだが、従来はレーザー光をレンズで一点ずつスポット照射していたので時間がかかりコスト高になるのが問題とされていた。
今回は、新開発の設計・製作技術で作るホログラムを使い、一回のレーザー照射でデバイスを作製する。照射が一度で済むので、ビームの揺れやスポットの重なりによる形状の不均一が起きず、それだけ精度の高い加工が可能で、性能の高いデバイスを低コストで作れる。
No.2008-32
2008年8月18日~2008年8月24日