次世代シーケンサー使い沖縄の研究機関と共同で先端バイオ研究を実施:産業技術総合研究所

 (独)産業技術総合研究所は8月18日、沖縄県の平成20年度先端バイオ研究基盤高度化事業「ギガシーケンサーを用いた先端バイオ研究基盤に関する研究開発」を(財)沖縄科学技術振興センター、(株)トロピカルテクノセンターと共同で実施することになったと発表した。
 沖縄県が平成19年度に3台導入した世界最新の塩基配列決定装置「ギガシーケンサー」を用いて、微生物から人に至る広範な生物のゲノム(全ての遺伝情報)の研究を行うもので、病気の診断・治療に結びつける研究を9月から始める。
 具体的には、大学・試験研究機関・企業が連携し、[1]前処理技術・データ処理技術の開発、[2]沖縄型ゲノム疾患の解明と治療法の開発、[3]がん標的分子の同定と治療法の開発、[4]産業有用微生物および遺伝子資源の解析、[5]医薬品・健康食品資源微生物および遺伝子資源の獲得、など沖縄地域の特性を生かした研究開発を推進する。期間は3年を予定。今年度の事業費は、1億8,000万円を見込んでいる。
 まず、ギガシーケンサーを用いたゲノム解析技術体系を確立し、沖縄県の泡盛などの伝統的発酵産業、あるいは医薬品・健康食品産業の振興のため、微生物および遺伝子資源のゲノム解析と、それに基づいた比較解析を行う計画。これにより、沖縄県の医薬品・健康食品産業などの新たな産業創出や発酵産業の高度化を加速する。

 さらに、日本人の標準的ゲノムの塩基配列を解読するなど、沖縄県にゲノム知識資源の集積を図り、バイオ研究の促進、産業振興に寄与したいとしている。

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沖縄県が導入した世界最新の「ギガシーケンサー」(提供:産業技術総合研究所)