(独)森林総合研究所は7月31日、つくば市(茨城)の同研究所に新たに導入した世界最大の木材用引張り試験機を公開した。
我が国では、スギなどの国産木材の利用を拡大するため、新しい木質材料の開発が進行中で、なかでも内層にたわみやすい国産材、外層にたわみにくい輸入材のベイマツなどを使う「異樹種集成材」と呼ばれる新材料(新構造用材料)の開発が注目を集めている。
これらの新材料を住宅の構造材などに利用するためには、曲げ、圧縮、引張り、せん断などの基準強度を明確にしておく必要があるが、これまでの500~1,000kN(キロニュートン、1Nは約0.1kg)級の引張り試験機では能力不足で適正に評価できないという問題があった。
公開した試験機は、「実大木材横型引張り試験機」(前川試験機製作所製)と呼ばれ、長さ約14.4m、幅同2.7m、高さ同1.5m。試験材料に最大で2,000kNの負荷をかけることができる。
同研究所では、先ずこの試験機を農林水産省の技術開発プロジェクト「信頼性強度設計理論による地域材利用新構造用材料の開発」に使っていく計画。同プロジェクトでは、新構造用材料の開発を中国木材(株)が担当しており、その強度性能評価を同研究所が分担することになっている。
No.2008-30
2008年7月28日~2008年8月3日