陸域観測衛星「だいち」による森林観測画像をネット上で公開:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月1日、同機構の陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」を使って宇宙から捉えた森林観測の画像をインターネット上で公開したと発表した。

 アドレスは、http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/kc_mosaic/jkc_mosaic.htm
 JAXAは、昨年から世界の20の研究機関と共同で「だいち」に搭載しているフェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダー(PALSAR)で捉えた森林や湿原、砂漠を50mの分解能で地図化するプロジェクト「ALOS京都・炭素観測計画」を進めている。  
 今回公開したのは、同計画でJAXAが担当する東南アジア領域の画像で、このような広域画像を一般公開するのはこれが初めて。今後、同計画に参加する各地域担当の機関により世界各地の観測画像が順次公開されていく予定になっている。
 PALSARは、衛星から発射した電波の反射を受信するマイクロ波のセンサーで、夜も曇天時も撮影でき、電波の一部が森林の葉の隙間を通過して地表面まで到達するという特徴を持っている。このため、世界的な問題となっている森林伐採領域の特定や洪水領域の観測などに適している。
 JAXAは、PALSARによる観測を継続的に行い、雨季と乾季、あるいは夏季と冬季の年2回のペースでデータを収集し、それらをつなぎ合わせた広域画像(モザイク画像)を作成している。

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「だいち」のPALSARで撮ったスマトラ島(インドネシア)東部の森林観測画像(提供:JAXA)