(独)産業技術総合研究所は6月2日、同研究所の中部センター(愛知・名古屋市)に住環境の省エネルギーを図る建築部材の性能を実際の使用環境下で評価する実験棟が完成したと発表した。
この新施設は、「環境調和型建材実験棟」と呼び、3階建て。既に窓ガラスのエネルギー透過率を制御する調光ガラス、高断熱性の木製サッシなど現在研究開発中の各種省エネ建築部材について実使用環境での省エネ性能や耐久性などの評価計測を開始している。
我が国のCO2排出量は、産業部門、運輸部門では横ばいになってきているものの、排出量の3割を占める民生部門(業務用、家庭用)は依然として増加を続けている。このため、民生部門の省エネ、すなわちCO2排出量削減をはかることが求められ、快適性を損なうことなく省エネを図る革新的建築部材の開発が進められてる。しかし、その評価は、室内の実験に限られ、実使用環境下ではまだほとんど行われていない。
同研究所では「この実験棟で実環境下での部材評価を行うことにより、省エネ建築部材の実用化を促し、地球温暖化対策に寄与したい」としている。
No.2008-22
2008年6月2日~2008年6月8日