高エネルギー加速器研究機構と(独)日本原子力研究開発機構の共同運営組織であるJ-PARCセンターは5月30日、高エネルギーの中性子ビームを作り出す「核破砕中性子源」の開発で中国科学院高能物理研究所と研究協力覚書を締結したと発表した。
加速器で作った高エネルギーの陽子(水素の原子核)ビームを標的(水銀など)に当てると標的の原子核がバラバラになって多量の中性子などが放出される核破砕反応が起こる。その反応を利用して高エネルギーの中性子を発生させる装置のことを核破砕中性子源という。
両機構は、共同で茨城県東海村に建設中の陽子を光速近くまで加速する大強度陽子加速器施設「J-PARC」に多様な中性子ビームを供給する核破砕中性子源を設置済みで、既に試運転に入っている。
一方、中国は、「国家重大科学技術施設」の一つとして高能物理研究所に核破砕中性子源の建設を計画している。
協力期間は、5年間。技術情報の共有や人材の交流、共同研究などを行うとしている。
No.2008-21
2008年5月26日~2008年6月1日