「J-PARC」で最初の中性子発生に成功:J-PARCセンター

 高エネルギー加速器研究機構と(独)日本原子力研究開発機構の共同運営組織であるJ-PARCセンターは5月30日、両機構が茨城県東海村に建設中の大強度陽子加速器施設「J-PARC」で同日最初の中性子発生に成功したと発表した。
 2001年から建設を開始したJ-PARCは、完成に近づいており、同日光速近くまで加速した陽子(水素の原子核)ビームを核破砕中性子源と呼ばれる装置に入射する試験を行い、午後2時25分中性子の発生を確認したもの。
 J-PARCは、光速近くまで加速した陽子ビームを標的(水銀など)に当て標的の原子核をバラバラに破砕して中性子、ミュオン、中間子、ニュートリノなどの2次粒子を発生させ、その2次粒子を物質・生命科学、原子核・素粒子物理学の研究や産業分野などに利用する最先端の大規模加速器施設。
 試験では、光速の約97%の速度にまで加速した数兆個の陽子の塊を標的の水銀に当て、事前の推計値とほぼ同じ1cm²当たり数万個の中性子発生を観測した。 
 今後、試運転調整を継続しながら徐々に出力を上げていき、12月には各実験装置に中性子ビームを供給し、本格的な利用運転を開始する。

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