山崩れが起き易い場所を予測する方法を開発
:森林総合研究所

 (独)森林総合研究所は5月29日、地下水の流れる音を探知して山崩れが起き易い場所を予測する方法を開発したと発表した。
 梅雨や台風などに伴う集中豪雨により山地では山崩れが起こり、毎年尊い人命が失われている。この山崩れは、雨が地下にしみ込み、地下水の集中する場所で起こることが知られている。しかし、その場所を探知するには多大な労力を要し、高精度に特定することはこれまでの技術ではできなかった。
 同研究所は、地下水が流れるときに発生する音の強弱を測定する「地下流水音探査技術」を開発し、山崩れの起きる危険性が高い地下水の集中する場所を探知することに成功した。
 雨による地下水が岩盤の亀裂や土壌の間隙(隙間)に入り込むと、間隙中にあった空気が押し出される。すると、気泡が割れて「コロコロ」、「ボコボコ」、「ゴー」といった音が発生する。この音を地下流水音といい、地下水が多く流れている場所ほど地下流水音が大きくなることからその音の強い場所を高感度の聴診器を使って捉え、山崩れの起き易い場所を見つけ出すというもの。
 同研究所では、この予測技術を使って雨の少ない時期に地下水が集中している場所を特定し、山崩れが発生する危険性が高いと見られる場所を予測したところ、実際にその後の大雨によってその場所で山崩れが発生、有効性を確認することができたとしている。

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