(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と(独)情報通信研究機構(NICT)は5月12日、超高速インターネット衛星「きずな」が毎秒1.2ギガ(ギガは10億)ビットの世界最高速衛星データ通信に成功したと発表した。 この成功は、JAXAとNICTが5月2日に共同で行なった初期機能確認作業で得られた。現在運用されている衛星インターネットサービスでの通信速度は、最速で毎秒10メガ(メガは100万)ビット。今回記録した通信速度は、その120倍にあたる。 この機能確認作業は、「きずな」のマルチビームアンテナを用い、NICTの鹿島宇宙技術センター(茨城・鹿嶋市)に設置した車載型の超高速小型地球局(アンテナ径2.4m)との間で行なった。衛星を介した1.2ギガビットの超高速データ通信は、地上通信網のバックアップや大容量データ伝送に役立つばかりでなく、ハイビジョンの16倍の情報量を持つスーパーハイビジョン伝送も可能にする。「きずな」の機能・性能確認は、今後も実施される。 「きずな」は、今年2月23日にJAXAの種子島宇宙センター(鹿児島)からH-IIAロケット14号機で打ち上げられた重さ約2.7tの静止型通信衛星。衛星本体の大きさは、2m×3m×8mで、国内・近隣国向け、東南アジア向けなど3つのアンテナと関連通信機器などを備えている。「きずな」は、インターネット、教育、医療、災害対策、ITS(高度道路交通システム)などの分野での衛星利用を推進する宇宙インフラ構想の中で、大容量通信分野の技術実証を目指している。 詳しくはこちら |