(社)二ューガラスフォーラム(NGF)は5日、ガラス内部に3次元光デバイスの基本である直線や曲線状の3次元光導波路を瞬時に作製する技術開発に世界で初めて成功したと発表した。ホログラムの技術を応用したもので、光通信の高速化などに欠かせない光素子の製造コストを大幅に引き下げられるという。
従来の方法では、レンズを使用しレーザー光をスポット照射し、照射部の材料の性質を変えていわゆる異質相を作製、この異質相の集まりとしてデバイスを作製しており、時間もかかり、コスト高だった。
新技術は、1パルスの発光時間がおよそ10のマイナス13乗秒という極超短パルス光(フェムト秒レーザー光)をデバイスの情報が書き込まれたホログラムを通してガラス内部に照射し、一度の照射で瞬時に立体的な光デバイスを作製する方式。加工時間は、従来の1000分の1以下で、レーザービームの揺れやスポッ卜の重なりによる形状の不均一性も無くなり、精度の良い加工ができる。
2006年度から5カ年計画で、経済産業省のプロジェクト「3次元光デバイス高効率製造技術」として、新エネルギー・産業技術総合開発機構からNGF、京都大学、浜松ホトニクスが委託を受け、NGFのつくば研究室で、オハラ、ライトロン、フジノン、大日本印刷、ナルックスの各社とNGFの研究員が研究開発していた。
新技術は、光通信や光コンピューターに使う素子だけでなく、バイオセンサーなど幅広い分野への応用が期待されている。
No.2008-5
2008年2月4日~2008年2月10日