(独)森林総合研究所は12月6日、これまでに収集した樹木2種(スギ、ヒノキ)と樹木病原微生物2種(マツノザイセンチュウ、ニセマツノザイセンチュウ)の遺伝子の部分塩基配列(機能している部分だけの塩基配列)情報を統合し、データベース(http://forestgen.ffpri.affrc.go.jp/ja/index.html)として公開したと発表した。このデータベースは無償で、誰でも自由に利用できる。
同研究所は、優良な形質(遺伝によって子孫に伝えられる性質)を持つ樹木の育成や、病気のメカニズムを解明するため、森林を構成する生物から得た多数の遺伝子情報を収集・解析し、提供している。
今回の公開では、グラフィカルで直観的な高性能ビュアーを採用し、データの瞬時参照を実現。研究現場で簡便にデータが利用できるよう配慮し、遺伝子事典としての活用を可能にした。
スギ・ヒノキの塩基配列情報は、針葉樹の基礎生物学的知見の集積に役立つだけでなく、花粉を出さない性質を持つ優良個体選抜の際のDNAマーカーとしても利用できる。
また、松枯れの病因であるマツノザイセンチュウの塩基配列情報は、発病機構の解明と新たな松枯れ対策の開発にも貢献できるとみられている。今後さらに針葉樹、広葉樹、樹木寄生菌、きのこ等の遺伝子情報を随時追加していく予定という。
No.2007-48
2007年12月3日~2007年12月9日