モモの果実の形質評価に役立つ3種の「DNAマーカー」を開発
:農業・食品産業技術総合研究機構/福島県農業総合センター

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所は12月6日、モモの果実の形質(遺伝によって子孫に伝えられる性質)を評価する3種類の「DNA(デオキシリボ核酸)マーカー」を、福島県農業総合センター果樹研究所と共同で開発したと発表した。
 モモの品種改良では、収穫期、果実の大きさ、果肉の色など様々な果実の形質を評価して、新品種の育成が進められている。DNAマーカーは、品種間のDNAの塩基配列の違いを識別する目印(標識)。DNAマーカーによって特定の遺伝子が親から子に受け継がれたかどうかの評価ができる。今回開発したのは、[1]収穫期に関連するDNAマーカー、[2]果肉の色に関連するDNAマーカー、[3]酸度に関連するDNAマーカーの3種類で、新品種の開発期間短縮に繋がると期待される。
 モモの収穫期に関連するDNAマーカーは、これまで知られていなかった。研究グループは、日本の栽培モモ48品種について数年から30年間の形質データなどをもとに解析を行い、DNAマーカーを開発した。これを福島県農業総合センター果樹研究所で検証したところ、60%以上の選抜率(育種選抜に使用可能かどうかを評価するために、DNAマーカーにより目的とする個体をどの程度選抜できるか表した数値)で有効性が示された。
 果肉色のDNAマーカー、酸度のDNAマーカーについても福島県農業総合センター果樹研究所で検証したところ、選抜率は果肉色のDNAマーカーで95~97%、酸度のDNAマーカーは94%以上であった。

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