マンガン酸化物表面の電子状態の観測に成功
:高エネルギー加速器研究機構/米ブルックヘブン国立研究所/同アルゴンヌ国立研究所

 高エネルギー加速器研究機構は11月16日、米国ブルックヘブン国立研究所(BNL)、同アルゴンヌ国立研究所(ANL)との共同研究で、マンガン酸化物表面の電子状態をX線を用いて観測することに世界で初めて成功したと発表した。
 マンガン酸化物は、磁場による電気抵抗率変化(磁気抵抗効果)が普通の金属よりはるかに大きな「超巨大磁気抵抗効果」を持つことから、こうした金属酸化物は現在の半導体技術に替わる新技術の基盤として研究が進められている。
 今回の観測は、マンガンとランタン、ストロンチウム、酸素が結びついたマンガン酸化物の一種に対し、BNLとANLの放射光実験施設で、X線表面回折法という測定法で行われた。その結果、このマンガン酸化物の固体としての表面は、ほぼ完璧に平らだが、電子的に見た表面は電子の軌道が長細く、互い違いに配列していて、粗いことが分った。このような電子軌道の配列を「軌道秩序状態」と言い、その状態が崩れると超巨大磁気抵抗効果を生み出すので、このように物質の表面や界面の性質を知ることは、超巨大磁気抵抗効果の実用化に向けて極めて重要と言える。

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