(独)産業技術総合研究所は11月21日、数ボルトの電圧で鏡の状態と透明な状態を自由に切り替えられるフレキシブルな調光ミラーフィルムを開発したと発表した。 光学的な性質を鏡の状態と透明な状態、その中間の状態に自由に制御できる調光ミラーは、窓ガラスに用いると太陽光を効率的に遮蔽し、冷房負担を低減できるため、省エネルギーの観点から注目され、性能の優れた製品が求められている。 今回開発した調光ミラーフィルムは、プラスチックなど柔軟な基材上に酸化インジウム・スズやマグネシウム・ニッケル系合金薄膜などを積層した厚さ100µm(マイクロメートル、1µmは100万分の1m)のフレキシブルなフィルムで、5V程度の電圧を加えることにより鏡状態と透明状態を切り替えることができる。また、切り替えた状態は、電気を切っても保つことができる。 試作した全固体型調光ミラーフィルムは、鏡状態ではほとんど光を通さず、透明状態では可視光や赤外光を40%程度通す。また、耐久性も大幅に向上し、4,000回以上鏡状態と透明状態のスイッチング(切り替え)ができることを確認している。 新しい調光ミラーフィルムは、ガラス上に成膜する場合に比べて、生産性、経済性、利便性などの点で優れている上、既存の窓ガラスに貼り付けることができるため、調光ミラーの応用範囲を飛躍的に広げることができる。 また、生産にロール・ツー・ロール法(ロール状に巻いたフィルム上に成膜し、再びロールに巻き取る成膜法)などを用いることが可能になり、大型化・大量生産の目途を立てることができた。今後は、調光ミラーフィルムの大型化などの技術開発を進め、実用化を目指すことにしている。
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鏡の状態にした新開発の調光ミラーフィルム(提供:産業技術総合研究所) |
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