動画像を携帯向けに素早くサイズ変換するソフトを開発
:筑波大学/成蹊大学/KDDI

 筑波大学先端学際領域研究センターの寅市和男特任教授らは6月19日、コンテンツ(情報内容)の動画画像を携帯電話向けに高精細に素早くサイズ変換するソフトウエアを開発したと発表した。     
 この開発には、成蹊大学理工学部の村上仁己教授とKDDI(株)が技術協力した。KDDIでは、精細度、処理速度ともに従来手法より優れていることを確認、同社の「au携帯電話」の影像配信サービスに今秋から導入する。
 寅市教授らは、情報処理の基本とされる「シャノンの理論」(データ圧縮の基礎理論の一つ)をより一般化した「フルーエンシ理論」によるマルチメディア共通記述形式を研究。音から映像までの信号変換技術で優れた成果を収めている。特に印刷技術では、DTP(デスク・トップ・パブリッシングの略。編集作業をコンピューター上で行う卓上出版)システムでの画像拡大・縮小機能、オンライン編集に対応するシステムを実現した。
 今回は、それを発展させ、文字・イラスト・写真など各種コンテンツの自動分類機能を追加、画像を高精細に拡大・縮小するソフトを実現した。
 au携帯電話の場合、フルーエンシ理論に基づく手法なら、画像の拡大・縮小で生じるギザギザなど、画質を落とさずに従来手法の約4分の1の時間で高速処理できる。この新ソフトの有効性は、携帯電話の他にも家紋・商標等検索システム、医療用の眼底写真や犯罪捜査用の防犯カメラの画質改善、オンデマンド漫画配信システムでも、既に実証されている。