(独)農業環境技術研究所は5月17日、今年度の遺伝子組み換えダイズの栽培実験を6月から11月までつくば市(茨城)の同研究所内の一般ほ場で行うと発表した。
一般にダイズや近縁野生種の「ツルマメ」は、自植性(同一花の中で受精する性質)が高く、交雑する可能性は極めて低いことが知られているが、遺伝子組み換えダイズとツルマメとの交雑などについては、さらなる科学的情報が求められている。
遺伝子組み換えダイズの栽培実験は、平成17年度から今年度までの3か年計画で行われており、実験材料としては「遺伝子組み換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」に基づいて使用が承認された「除草剤グリホサート耐性組み換えダイズ」が使用されている。
今年度は、研究所内の一般試験ほ場(広さ20アール)で、除草剤グリホサート耐性組み換えダイズ約7000個体を栽培する。今年度の実験は、組み換えダイズから一定の距離(2~10m)を離してツルマメを栽培し、両種の開花期を重複させる条件で、自然交雑に関する栽培実験を行う。そして、収穫したツルマメの種子を11月以降閉鎖系温室内で調べ、両種の自然交雑の有無などを解析する。
同研究所では、この栽培実験に関する情報を、茨城県やつくば市、JA谷田部などに提供することにしている。