非シリコン系太陽電池の省資源化製法を開発
:産業技術総合研究所

 (独)産業技術総合研究所は4月5日、次世代の太陽電池として期待されている非シリコン系の「CIGS太陽電池」製造時に使うセレン原料を、従来の10分の1以下に抑える新しい製膜技術を開発したと発表した。これにより大面積素子の量産化とコスト低減が可能になった。
 CIGSは、「銅・インジウム・ガリウム・2セレン」の略称。このCIGS太陽電池は、太陽光を電気に変換する光電変換層の厚さを数μm(マイクロメートル=1μmは1000分の1mm)と薄くでき、変換効率が最高19.5%と従来のシリコン単結晶太陽電池を上回り、経年劣化がなく長期信頼性に優れているとして注目されている。
 しかし、薄膜製造に使われる多元蒸着法は、セレンの利用効率が低く、頻繁な製造装置のメンテナンスが必要なためコスト低減が難しく、産業用途には不向きとされていた。
 同研究所では、「RF(高周波)プラズマクラッキング」という高周波による放電で発生したプラズマで気体を分解する方法によって作った反応し易いラジカル・セレンを用いてCIGS薄膜を作製する技術を開発した。滑らかで緻密な表面を持つ大粒径のCIGS薄膜が得られ、開発初期段階ながら17.5%という高い光電変換効率の太陽電池を得ている。

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