「花粉症緩和米」の動物実験の結果を発表
:農業生物資源研究所

 (独)農業生物資源研究所は4月3日、「花粉症緩和米」の安全性評価についてサルやマウスを用いて行った動物実験の結果、異常は確認されなかったと発表した。
 イネの品種改良に取り組む同研究所では、遺伝子組み換え技術を使って、米にスギ花粉症のアレルギーの原因となるタンパク質の一部が入っている花粉症緩和米の研究開発を進めている。花粉症緩和米は、食べることで体が少しずつ慣れ、花粉症が和らぐと考えられている。
 今回行われた動物実験では、花粉症緩和米の食品としての安全性などを調べるために、マウスにはエサに花粉症緩和米を混ぜて13週間食べさせ、カニクイザルにはおかゆ状にした液を26週間飲ませて、通常のエサを食べたマウスやサルと比較した。
 その結果、遺伝毒性試験(遺伝子や染色体などに対する影響を調べる試験)や長期毒性試験(臓器などへの影響を調べる試験)、生殖・発生毒性試験(生殖や発生などに対する影響を調べる試験)では、いずれも異常はなかった。
 また、花粉症緩和米が新たなアレルギーの原因物質になるかどうか.を確認する抗体産生性確認試験では、血液中にスギ花粉に対する抗体は作られておらず、緩和米が新たにアレルギーを誘発する可能性のないことが分かった。
 同研究所では、今後必要な手続きをした上で、人が花粉症緩和米を実際に食べて安全性や有効性を確認する試験も行いたいとしている。

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