筑波大学と九州工業大学の共同研究グループは8月21日、ビッグデータ時代に対応した新たな高速データ圧縮技術を開発したと発表した。データストリームを一時的に溜めることなく連続的に圧縮・復号化でき、理論的にはデータを1/10のサイズにまで縮小可能で、現行の銅線や光ケーブルなどの伝送媒体を変更することなく、ネットワークの通信速度を最大10倍高速化できるという。
■少ない電力で高速処理が可能
開発したデータ圧縮技術は、圧縮したデータを復号化によって圧縮前の元のデータに戻すことができる、いわゆる可逆圧縮が可能なロスレスデータ圧縮技術。
共同研究グループは今回、専用LSI(大規模集積回路)チップによるデータ圧縮、つまりハードウエアによる圧縮技術として、データの出現傾向を自動認識する技術を開発、さらに、次々と圧縮されたデータが復号側に送られていき、それを受け取ったところから順次復号化が可能な技術を確立した。
従来は圧縮データと別々に復号側に送られていたデータ変換規則を送る必要がなく、流れるデータを連続して圧縮・復号化することができる。
開発した技術は、ハードウエアとの親和性が高く、最大50%の圧縮が可能なモジュールを多段接続することができ、4段接続で最大10%のサイズにまでデータ圧縮が可能。ソフトウエアによるデータ圧縮よりも少ない電力で高速処理できるというメリットもある。成果はすでに特許出願済みという。