(国)物質・材料研究機構は6月30日、同機構提案の新プロジェクト「情報統合型物質・材料開発イニシアティブ」が(国)科学技術振興機構(JST)の「イノベーションハブ構築支援事業」に採択され7月1日からスタートすると発表した。
「イノベーションハブ構築支援事業」は、国立研究機関独自の研究費にJSTの資金をプラスしてハブ拠点(中核的研究拠点)の構築を図ろうという平成27年度からの新規事業。
これまでの物質・材料探索は、研究者の経験に基づく「勘とひらめき」に頼るところが大きかった。しかし、物質・材料が多様化し複雑化するにつれ系統的に「設計」する方法の開発が重要になってきており、情報科学を駆使する情報統合型に変革させる潮流が起きている。
物材機構の「情報統合型物質・材料開発イニシアティブ」は、データ科学を採り入れた産学官連携によるオープンな情報統合型の物質・材料研究のハブ拠点を構築しようというもので、17の企業、14の大学、7つの研究機関、5つの海外研究機関と連携して、社会的に波及効果の高い蓄電池材料、磁性材料、伝熱制御材料などの課題に取り組むとしている。
研究にあたっては、研究者が複数の研究機関に雇用される「クロスアポイントメント制度」などを採り入れ、組織の壁を越えて活躍できるようにして人材の糾合を図り、大学や公的研究機関などの技術シーズが円滑に民間企業に「橋渡し」されイノベーション(技術革新)につながるようにするという。