
初のISS長期滞在を行う油井亀美也宇宙飛行士(提供:JAXA)
(国)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月24日、JAXAの油井亀美也(ゆい・きみや)宇宙飛行士が地球を周回飛行中の国際宇宙ステーション(ISS)の第44/45次長期滞在クルーの3人のうちの1人として、日本時間5月27日午前4時46分にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地からロシアのロケットで打ち上げられるソユーズ宇宙船に搭乗して出発すると発表した。油井宇宙飛行士は、ISSに約6カ月間滞在する。
■宇宙環境を利用した研究など進める
これは前日の4月23日に米国のヒューストンで開催された審査会の結果、確認されたもので、2009年にISS搭乗の日本人宇宙飛行士候補としてJAXAに選ばれた油井さんにとって、これが初の宇宙飛行となる。今回の飛行で油井さんと一緒のクルーとして宇宙飛行するのはロシアのオレッグ・コノネンコ宇宙飛行士と米国のチェル・リングリン宇宙飛行士。
油井さんはISSではフライトエンジニアとして、日本の実験棟「きぼう」などISS各施設のシステム運用や、人工重力によって生物がどんな影響を受けるかなど、日本や国際パートナーの科学実験をはじめとする宇宙環境利用に重点を置いた活動を行う。任務を終えた油井さんらのクルーがソユーズ宇宙船で地球帰還するのは今年11月頃の予定となっている。
油井さんは長野県生まれの45歳。1992年3月、防衛大学校を卒業して航空自衛隊入隊、戦闘機パイロットなど歴任後、防衛省航空幕僚監部に勤務していた2009年2月に日本人宇宙飛行士候補の一人として選抜されてJAXA入り。2011年にISS搭乗宇宙飛行士として認定され、2012年10月にISS第44/45次長期滞在クルーのフライトエンジニアに任命された。