
左が飼料用サトウキビ「しまのうしえ」、右の「KRFo93-1」は、種子島、南九州地域向きの飼料用サトウキビ(提供:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構は4月1日、鹿児島県農業開発総合センター、沖縄県農業研究センターなどと共同で、奄美・沖縄地域向けの飼料用サトウキビの栽培マニュアルと発酵マニュアルの2つの利用マニュアルを作成したと発表した。
肉用牛の生産は、奄美・沖縄地域の基幹農業の一つ。しかし、この地域は、耕地面積が限られるため牧草などの粗飼料(繊維質飼料)の増産が難しく、農家の規模拡大をはばむ大きな問題となっている。
その課題に対応しようと作成したのが今回のマニュアル。①「しまのうしえ」と呼ばれる飼料用サトウキビの栽培マニュアル、②「しまのうしえ」と、奄美・沖縄地域で発生するバガス(製糖用サトウキビの搾りカス)などの未利用資源とを混ぜて発酵させ飼料化するマニュアルの2つ。
「しまのうしえ」は、奄美・沖縄地域の気候だと1年に2回収穫できるので、その栽培マニュアル作成は朗報といえる。
一方、未利用資源の発酵による飼料化は、粗飼料、濃厚飼料、ミネラル、ビタミンなどを混ぜ合わせた「TMR」と呼ばれる飼料を「しまのうしえ」とバガスなどの未利用資源から発酵によって得るというもので、その発酵TMRの製造マニュアルを作った。発酵TMRは、既に徳之島(鹿児島)で生産と販売が始まっている。