国土交通省の国土技術政策総合研究所は1月27日、河川に設けている「落差工」と呼ばれるコンクリート構造物が、流れ下ってくる石によってどれだけ削られるか実験水路を使って計測する公開実験を29日につくば市(茨城)の同研究所で行うと発表した。
流れの速い河川では、流路にコンクリート製の段差(落差工)を階段状に設けて水のエネルギーを弱め、洪水防止や農業用水の確保が行われている。そこで問題なのが、流下する速い流れに乗って運ばれてくる石による落差工などの摩耗。流石の衝撃による落差工などコンクリート構造物の摩耗量や摩耗範囲を予測する手法は、まだ確立されていない。
このため、同研究所は、落差工の機能を維持しながら摩耗量を減らすことにより長寿命化を図り、効率的な河川の維持管理が行なえるようにする設計の基準を検討している。
公開実験は、同研究所の長さ約50mの流砂実験水路を使って行い、上流から水と石を流して50cmの段差がある落差工の下流部コンクリートの摩耗量、摩耗範囲を測定する。