今夏の北極は低温傾向―人工衛星「しずく」で海氷状況を観測
:宇宙航空研究開発機構

「しずく」が捉えた北極海の2013年9月12日の海氷域(提供:JAXA)

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月26日、同機構の水循環変動観測衛星「しずく」を使って観測した北極海の海氷の最新状況について、「9月12日の面積値(481万km2、歴代6位相当)が今年の最小値となる見込み」と発表した。史上最小となった昨年をさらに上回ることは回避された。
 「しずく」は、JAXAが進める人工衛星を使って地球環境の変動を長期的に観測する「地球環境変動観測ミッション」の一環として、昨年5月18日に打ち上げた“水観測衛星”。高性能のマイクロ波放射計を搭載し、降水量、水蒸気量、海面温度など様々な水情報を地球規模で捉える機能を持つ。
 JAXAによると、今年3月は低温傾向だったが、その後は夏を迎えて6月下旬~7月前半にかけて海氷面積は急激に縮小した。しかし、7月後半以降、北極海が低気圧に覆われ曇りの日が多かったこと、気温が低く保たれていたことなどから、海氷の縮小はこれ以上進まないとみられている。
 「しずく」の観測によると、2013年9月12日の北極海の海氷面積は、昨年の同時期より日本列島4つ分に相当する約150万km2大きいことが分かった。
 北極海の海氷面積は、昨年9月に観測史上最小を記録し、この夏は、どのように推移していくのか世界的に注目されていた。

詳しくはこちら