環境に優しい農薬散布機を開発
:農業・食品産業技術総合研究機構/丸山製作所/ヤマホ工業

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構は12月14日、わい化栽培と呼ばれる木の高さを低くおさえる果樹栽培法用の環境に優しい新スプレヤー(農薬散布機械)を(株)丸山製作所、ヤマホ工業(株)と共同で開発したと発表した。
 わい化栽培は、木の高さが低いので管理し易く、リンゴ栽培などで広く採用され、新スプレヤーもわい化リンゴ園を主な対象としており、散布した薬剤が風に流されて飛散するドリフトを、防除効果を落とすことなく低減できるのが特徴。
 現在実用のスプレヤーは、果樹園の端(園端)付近でも園の中央部でも同じ風量・風向の送風で散布を行っている。このため、園端付近では、ドリフトが発生し易く、平成18年からはポジティブリスト制(残留基準が設定されていない農薬などが一定量以上含まれている食品の流通を原則禁止する制度)が施行されたことで、より一層ドリフトの低減が重要な課題になってきている。
 新スプレヤーは、風量・風向を自在に調整できる遮風板と新型のドリフト低減ノズル、速度に連動したポンプ圧力制御装置を搭載することでドリフトの大幅低減を実現した。わい化リンゴ園で園外へのドリフト薬液量を測定したところ、全ての地点で検出限界値以下を記録したという。この新スプレヤーは、平成23年度に市販される予定。

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