準天頂衛星初号機「みちびき」が実証実験を開始
:宇宙航空研究開発機構 /国土地理院/産業技術総合研究所/情報通信研究機構/電子航法研究所/衛星測位利用推進センター

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)、国土地理院、(独)産業技術総合研究所、(独)情報通信研究機構、(独)電子航法研究所、(財)衛星測位利用推進センターは12月15日、準天頂衛星初号機「みちびき」の約3カ月に亘る初期機能確認を終えて同日から本格的な衛星の技術・利用の実証実験を始めたと発表、同日開かれた宇宙開発委員会に報告した。
 「みちびき」は、2010年9月11日にJAXAの種子島宇宙センター(鹿児島・種子島)から「H-ⅡA」ロケット18号機で打ち上げられ、日本列島付近からオーストラリア付近までの太平洋上で数字の「8」を描くように見える準天頂軌道を回りながら初期機能確認を進めてきたが、12月10日までに終了、衛星の全ての機能・性能が正常なのを確認し、同13日から定常運用に入り、同15日午前11時48分に全ての測位信号を実証実験参加者が利用できる標準モードに切り替えた。
 技術・利用の実証実験は、日本でもカーナビなどに広く使われている米国の「GPS(全地球測位衛星システム)」利用可能地域の拡大や、利用可能時間の増大、得られる測位情報の高精度化・高信頼化などの実証を行う。たとえば、全国約1,240カ所の基準点でGPSの電波を受信して種々の誤差を補正、その補正情報を「みちびき」経由で配信、現在は約10mの測位誤差を数cm~1mに縮める。
 さらに、高精度測位技術の利用実証実験として、[1]受信端末を持った児童の位置が分かる登下校見守りシステム、[2]農耕機器の無人運転による種まき実験、[3]名所に立つと位置情報と連携していて見どころを解説してくれる観光案内システム、[4]山林境界の精密測量、などが計画されている。

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