車一台でも最高速度を規制速度以下に抑えると二酸化炭素(CO2)の排出削減効果が他の車にも波及する―。(独)国立環境研究所は11月1日、コンピューターで道路の交通流全体をシミュレーション実験したところこんなエコドライブ効果があることが分かったと発表した。エコドライブは、単独ではCO2削減効果があるものの、全体としては交通流を乱しCO2排出量をかえって増やすのではないかとの懸念もあった。
実験では、信号を設置する間隔や、信号を赤や青にするタイミングを調整することにより規制速度で走行した場合の信号停止回数を減らす系統制御の条件を変えて分析した。エコドライブとしては、最高速度を規制速度以下に抑える、早めにゆっくり加速する、ゆっくり減速する、などを組み合わせた。
この結果、一台でも規制速度以下のエコドライブをすると、それを先頭にした車列ができてその効果が周辺の車にも波及するという。信号が系統制御されている区間では、エコドライブ車の割合が40%になると、車一台あたりのCO2削減効果はエコドライブ車がない場合に比べておよそ2倍に達した。
ただ、信号間隔が狭く交通量が飽和状態の市街地ではエコドライブ効果が小さくなり、系統制御がないとその傾向が強まるという。さらに、信号間隔が250mで一部に非系統制御の区間があるときは、ゆっくり加速するエコドライブは逆効果であることも分かった。
No.2010-43
2010年11月1日~2010年11月7日