(独)産業技術総合研究所は10月16日、ロボットの専門知識がない人でもダンスを振付けるように容易に人間型ロボットに多様な動作をさせる技術を開発したと発表した。 新技術は、ロボットが一連の動作の途中で取るいくつかの重要な姿勢「キーポーズ」を指示するだけで、滑らかで力学的に無理のない動作へ瞬時に自動変換する統合ソフト。制御プログラミングの専門家でなくてもロボットの運動能力を最大限引き出して多様な動きを実現するのに使えるため、人間型ロボットの応用を医療・介護やエンターテインメントなど様々な分野に拡大するのに役立つと同研究所は期待している。 二足歩行をする人間型ロボットでは、キーポーズを単純につなぎ合わせても転倒してしまうなどの問題が起きやすい。ロボットが足をつくときの衝撃や、床との間に働く力学的なバランスが考慮されていないためだ。 開発した統合ソフトでは、ユーザーがキーポーズの入力や修正をするたびに足の裏がきちんと接地しているかなどをチェックし、自動的に修正するようにした。また、入力したキーポーズの間に入る補助的なポーズを自動生成し、一連の動作が滑らかに進むようにした。必要に応じてロボットの腰の位置も自動補正する。この結果、ユーザーは、自分の希望する動作がうまく実現できているかを確認しながら作業できるという。 同研究所は、新技術によってロボット専門家以外の人にもロボットを動かす制御ソフトの開発が拡がれば「人間型ロボットを用いた新たなコンテンツ産業の創出が期待できる」と話している。 詳しくはこちら |  |
ロボットにこんな動きをさせることもできる(提供:産業技術総合研究所) |
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