(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月21日、新たに開発する計画の小型科学衛星「SPRINT(スプリント)」シリーズの概要を同日開かれた宇宙開発委員会に報告したと発表した。 現在開発中の小型固体ロケット「イプシロン」に搭載して2013年度に1号機打ち上げを目指す。多様な目的に素早く対応できるように衛星本体の殻(バス)は、一品注文型ではないセミオーダーメイド型とし、約5年間で3機の打ち上げを想定している。 この小型科学衛星シリーズ「SPRINT」は、「イプシロン」ロケットと対にして、タイムリーな宇宙科学観測・実験を低コスト・短期で実現できるようにするが狙い。このため、新たに開発するセミオーダーメイド型バスは、ミッション部の重量が200kg以下、ミッション部への最大供給電力250W程度、軌道上寿命1年で、ミッション部の仕様確定からの開発期間は2年、を目指している。 2013年度打ち上げ目標の小型科学衛星1号機の「SPRINT-A」は、金星、火星、木星を極端紫外線(EUV)で観測、「惑星が大気を保有する条件は何か?」、「生命を育む惑星の成立条件は何か?」を探る。これまで、EUVによる観測例は殆どないので、発見的要素が多く、教科書を書き替える成果が期待される。同衛星の重さは、365kg。搭載する科学機器の担当は、東京大学、東北大学など。 2号機以降については、既に多くの大学や研究機関がワーキンググループを立ち上げて候補となるミッションの検討を進めており、そのミッション候補は12に達している。 詳しくはこちら |  |
2013年度打ち上げを目指す「SPRINT-A」の想像図(提供:宇宙航空研究開発機構) |
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