(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月7日、平成22年度に同機構種子島宇宙センター(鹿児島・種子島)から「H-ⅡA」ロケット18号機で打ち上げる準天頂衛星初号機「みちびき」の打ち上げ計画概要を同日開かれた宇宙開発委員会に報告した。 準天頂衛星システムは、日本付近で常に天頂(観測者の真上に当たる天空)付近に1個の衛星が見えるように軌道傾斜や高度を考えた衛星を複数配置するシステムのこと。実現すれば、現行のGPS(全地球測位システム)を補強・補完、山間地やビル影でも影響を受けずに、日本全国をほぼ100%カバーする高精度衛星測位サービスが可能になる。 初号機の目的は、このシステム作りや運用に必要な技術などを実証することで、結果を評価した後、官民協力で更に同型機2機を打ち上げて3機体制を整え、システムの実証をする計画。「みちびき」本体は、高さ6.2m、幅3.1m、奥行き2.9mの箱形で、両側に太陽電池パドルを全開した時の翼端間隔は25.3m。打ち上げ時の重さは、約4t。設計寿命は、10年以上。予定軌道の長半径は、約42,000km。傾斜角は、約45度。周期は、23時間56分。 実証実験する高精度測位実験システムは、GPS信号と組み合わせる信号を発生・送信する衛星搭載系と、測位に必要な準天頂衛星軌道などを推定するモニター局などの地上系で構成され、既に国内4局、海外3局のモニター実験局は設置が完了。残りの海外3局も4月末までに設置される。 初号機は、5月上旬に種子島宇宙センターに運ばれ、5月中旬の搬入後試験を経て、夏打ち上げの予定。打ち上げ後3カ月は、初期機能確認のための運用を行い、その後実証実験に入る。 詳しくはこちら |  |
打ち上げ後の準天頂衛星初号機「みちびき」の想像図(提供:宇宙航空研究開発機構) |
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