(独)農業・食品産業技術総合研究機構は12月12日、肉用牛の新しい肥育技術を開発したと発表した。
肉を生産するため牛を太らせることを肥育という。新肥育技術は、熊本地方で「あか牛」の名で飼われている和牛の一種「褐毛和種(あかげわしゅ)」を周年牧草地で放牧により育て、配合飼料(各種の飼料を混ぜ合わせた飼料)などを与えず飼料自給率100%で肥育することに成功したもの。
肉牛は、約20カ月間肥育して体重を700kg前後まで太らせてから出荷される。
新肥育技術は、夏に育つイネ科の多年草で草丈が30~70cmになる「バヒアグラス」などを夏の牧草に、冬はイネ科の冬作草種「イタリアンライグラス」を与えて周年放牧を達成、サイロで発酵させたトウモロコシサイレージを併給して飼料自給率100%の肥育を実現した。
褐毛和種の子牛を周年放牧肥育で平均体重680kgまで太らせることに成功しており、得られる牛肉は高タンパク質、低脂肪、高ビタミン含量で、健康に育った証のクレアチン、カルニチン、カルノシンなどの機能性成分を多く含むことを確認しているという。
No.2011-50
2011年12月12日~2011年12月18日