スパコン「京」が米国の「ゴードン・ベル賞」を受賞
:筑波大学、理化学研究所など

 筑波大学、(独)理化学研究所などの研究グループは11月18日、最新のスーパーコンピューター「京」を用いた応用研究で米国の「ゴードン・ベル賞」の最高性能賞を受賞したと発表した。
 米国のシアトルで開かれた高性能計算技術に関する国際会議「SC11」で受賞したもので、次世代半導体向けに注目されるナノ材料の電子の動きを理論的に計算した成果が評価された。世界的にスーパーコンピューターを巡る一進一退の研究競争が続く中で、現時点で日本がトップレベルにあることが示された。 
 受賞したのは筑波大、理研のほか東京大学、富士通(株)の研究グループ。理研と富士通が共同開発している「京」を用いて、シリコン原子が10万個規模のナノワイヤー(直径20nm(ナノメートル)、長さ6nm:1nmは10億分の1m)の中で電子がどのように振る舞うかを量子力学的な計算をしてシミュレーションした。
 その結果、京は毎秒3,080兆回(3.08ペタフロップス)の計算をこなすという世界最高性能を発揮。さらにナノワイヤーの断面の形状によって電子輸送特性が変化することなども明らかにし、その性能が高く評価された。
 京は、先にドイツで開かれたスーパーコンピューター国際会議の性能ランキングでも世界1位を獲得している。
 ゴードン・ベル賞は、スーパーコンピューター関連で最も優れた成果をあげた成果に毎年1回与えられるもので、特に最高性能賞はシミュレーション研究における計算性能が評価対象となる。日本は、2004年にも神戸大学が(独)海洋研究開発機構の「地球シミュレータ」を使った研究で最高性能賞を受賞している。

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