(独)農業・食品産業技術総合研究機構は9月6日、温州(うんしゅう)ミカンの糖度管理に役立つ携帯型の「植物水分情報判定装置」を試作したと発表した。 温州ミカンの栽培では、精密な水管理(かん水管理)により木に適度なストレス(水ストレス)を与え、果実の糖度を高める栽培技術が普及している。しかし、そのかん水管理は、葉や樹の状態を目視で観察する方法なため、熟練技術が必要で、誤った管理による収量や品質の低下が一方で問題になっている。 試作した装置は、ミカンの葉の弾性(ヤング率)を測って間接的に水ストレスを判定するというもの。センサーユニット、制御装置、計測用パソコンで構成され、ミカンの葉をセンサーユニットに挟んでスタートスイッチを押すと自動的に葉の弾性が測られ、計測結果がパソコンに保存される。葉1枚の判定に要する時間は、試作装置で30秒程度。 開発を担当した同機構の生物系特定産業研究支援センターは、かん水管理に必要な水ストレスの判定が短時間で行えることが分かったとし、小型・軽量化や取り扱い性の向上などをはかり実用化を目指すとしている。
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センサーユニットにミカンの葉をこのように挟んで測定する(提供:農業・食品産業技術総合研究機構) |
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