製品の信頼性高める新ソフトを開発
:産業技術総合研究所/ジャトコ/東京大学

 (独)産業技術総合研究所は9月5日、自動車用変速機専門メーカーのジャトコ(株)、東京大学と共同で製品の高信頼性設計のための支援ソフトを開発したと発表した。「フォールト・ツリー・アナリシス(Fault Tree Analysis)支援ソフトウエア)」といい、製品の品質や信頼性向上に携わる技術者の作業負担を軽減でき、信頼性の高い設計が実現できるという。
 Fault Tree Analysis(FTA)は、「故障の木解析」と訳され、製品の故障の要因を木構造(きこうぞう=木が幹から枝、枝から葉に分岐していくのに似たデータ構造)に展開して解析する手法のこと。製品の品質や信頼性の向上に有効な反面、木構造の作成、編集の作業負担が大きいという難点を抱えている。
 そこで産総研は、ジャトコ、東大と共同研究契約を結び、作業負担軽減と解析品質の向上の両立を目指して支援ソフトの開発に取り組んできた。FTAでは、故障事象をその要因となる子事象に逐次展開していくので、子事象を適切に特定することが重要な作業になる。その検証に東大の「物理量次元インデクシング技術」という手法を使い展開された子事象の適合性を検証できるようにした。
 新支援ソフトの開発により、FT図の漏れや抜けが直ちに発見でき、木構造が簡単に編集できるようになったため、技術者の作業工数を従来の手作業に比べ5割削減できるという。
 ジャトコでは今後、関連の自動車部品メーカーにこのソフトを試験配布し、効果を評価・検証することを計画している。

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