金メッキの光沢ムラを自動判別する小型検査装置を開発
:産業技術総合研究所

 (独)産業技術総合研究所は9月7日、金メッキで生じる光沢のムラを人間の目に頼らず自動判別する小型検査装置を開発したと発表した。
 光沢ムラの原因である金メッキ表面の粗さ分布を画像化し、数値化することに成功したもので、電子・情報機器などに使われる各種金メッキ部材の外観検査などへの利用が期待される。
 金メッキは、フレキシブルプリント回路基板やコネクターなど多くの電子部材に使われている。しかし、金メッキのムラ、シミ、変色などの外観異常検査は、自動化・数値化が難しく、今なお限度見本と見比べる人間の目視によって行われている。このため、検査者ごとの検査結果のバラツキや、製造者側とユーザー側の基準のずれなどが生じ、製品品質に関するトラブルや過度の不良品発生などを招いている。
 産総研は、光沢ムラのほとんどが表面の粗さの違いから生じていることを見つけ、光沢ムラの程度を数値化し良否を識別できる金メッキ光沢ムラ検査装置を実現した。
 その構造は、赤色発光ダイオードからの光を測定試料に照射し、試料からの拡散光(散乱光)をミラーを通してCCD(電荷結合素子)カメラで捉えるというもの。小型・軽量で携帯性にも優れ、製造現場での使用に適しているという。
 同研究所は、「現場適応性の検証を経て装置の製品化を進めると共に、検査法の規格化・標準化に向けた取り組みを行っていく予定」といっている。

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