(独)産業技術総合研究所は6月6日、食品機械メーカーの(株)ニッコー(本社・釧路市)と共同で魚や豚バラ肉など農水産物の立体形状を高速・高精度で計測するシステムを開発したと発表した。 新システムは、「全周3次元形状計測システム」といい、魚などをベルトコンベアで搬送しながら一定の大きさに切り揃えるための自動加工用のデータを瞬時に計算することができる。魚や豚バラ肉などの農水産物は、これまで正確な立体計測が難しいことが、加工品の生産性向上の障害となっていた。 開発したシステムでは、2台1組のカメラを4組使ってベルトコンベアで運ばれる加工対象物を上下4方向からとらえ、立体形状データを得る。搬送用ベルトコンベアは、2台使い、その切れ目から対象物の裏側も正確に計測できるようにした。最速の毎分8.3mで搬送した場合でも、高さ方向で1mm以内の高精度立体計測ができるという。 全長440mmの鮭フィレなら、6秒未満でデータが得られる。このデータから、どのように切れば無駄なく均一な大きさで一定数に切り分けられるかを瞬時に計算し、加工用の機械に自動入力できる。 産総研は、「多様な農水産物を扱うことができ、加工品の歩留まり向上に貢献する」と見ている。
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新開発の全周3次元形状計測システム(提供:産業技術総合研究所) |
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