(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月10日、古川聡さんら日米露3人の宇宙飛行士が乗ったロシアのソユーズ宇宙船が打ち上げ2日後の同日午前6時18分(日本時間)、高度約350kmの地球周回軌道を飛行中の国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功、古川さんのISS長期滞在がスタートしたと発表した。 結合から約3時間15分後の同日午前9時34分(同)、ISSとソユーズ宇宙船を繋ぐハッチが開き、古川さんら3人がISSに乗り移って“先住"クルーの3人と合流、11月中旬まで約5カ月半に及ぶ長期滞在に入った。 この長期滞在の間、古川さんはISSの日本実験棟「きぼう」の実験装置などの保守・管理を行いながら、日米欧の実験を担当する。たとえば医師である古川さん自身が「実験台」となり、重力が少ない宇宙空間で骨が脆くなる骨祖しょう症の薬を飲み、その効果を確かめる実験をしたりする。 また、キュウリの種を発芽させ、根の成長に重力が与える影響を調べるほか、新材料や新薬の開発に繋がる高品質結晶作りに挑戦する。アジア各国の子供たちから公募した「宇宙ふしぎ実験」も行う。 ISSには、現在、古川さんら6人の宇宙飛行士が滞在しているが、9月に先住のポリシェンコ、サマクチャイエフ、ギャレンの3宇宙飛行士が地球に帰還するとISSクルーは一時的に古川さんら今回のソユーズで行った3人だけになる。 しかし、9月末には、別の宇宙飛行士3人がソユーズ宇宙船で到着し、長期滞在クルーとして加わる予定になっている。 今後の日本人宇宙飛行士のISS長期滞在計画としては、2012年夏に星出彰彦さん(42歳)が、次いで2013年末に若田光一さん(47歳)が、それぞれ半年間滞在する予定。
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ISSに入室する古川さん(提供:宇宙航空研究開発機構) |
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