ISS補給機「こうのとり」2号機のミッション完遂を宇宙開発委員会に報告
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月6日、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を輸送した宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)のミッション完遂について同日開かれた宇宙開発委員会に報告したと発表した。計画通り全てのミッションを安全に遂行できたことで、JAXAはISSの運用に不可欠な輸送手段としての役割を果たせたとしている。
 「こうのとり」2号機は、約5.3tの貨物を搭載、1月22日にH-ⅡBロケット2号機により種子島宇宙センター(鹿児島・種子島)から打ち上げられた。1月28日にISSに結合、ISS基幹システムの保全用船外機器や宇宙飛行士の飲料水など、運搬した貨物の全てを3月25日までにISSへ移送、代わりにISS内で発生した約2.8tの廃棄物を積み込み、3月29日0時46分(日本時間)にISSから離脱、3月30日12時09分(同)頃大気圏に再突入し約67日間にわたる全ミッションを終了した。機体、貨物は、大気圏再突入時に分散、溶融し、燃え残った機体の一部などがニュージーランドと南米チリの間の太平洋の着水予想区域内に落下した。
 約60日のISS係留期間中に東日本大震災が起き、一時的にコマンド(指令電波)が送れない状態になるなど想定外の事態が発生したが、つくば市(茨城)のJAXAからの音声による指示に基づき米国ヒューストン市からコマンドを送信するなどして予定通り作業を遂行した。今回の成功についてJAXAは、日本が独自に開発したISSへの無人輸送機の高い安全性・信頼性を改めて示せたとしている。

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大気圏に突入した「こうのとり」の想像図(提供:宇宙航空開発機構)