[編集発行] (公財)つくば科学万博記念財団 [協力] 科学技術振興機構(JST)・文科省研究交流センター

つくばサイエンスニュース

トピックスつくばサイエンスニュース

金井宇宙飛行士、6か月間宇宙に滞在し医学実験など実施―12月17日に打ち上げに成功しISSに乗り移る:宇宙航空研究開発機構

(2017年12月17日発表)

 (国)宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、金井宣茂(のりしげ)宇宙飛行士が搭乗したソユーズ宇宙船は日本時間12171621分にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、同19日に国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングし、金井宇宙飛行士は予定通りISSに移って活動を開始した。

 金井宇宙飛行士は20186月初まで、約6か月間ISSに滞在し、ISS54次/55次長期滞在クルーのフライトエンジニアとして活動する。

 今回の長期滞在ミッションでは、ライフサイエンスや医学の実験をはじめ、超小型衛星の放出、船外実験など多くの実験が予定され、米国とロシアの船外活動の実施も計画されている。

 ISS全体としては約250テーマの実験が予定されており、そのうち32テーマは日本の実験。うち約11テーマは新薬設計や加齢研究支援といった医学や薬学関連になっている。

 金井宇宙飛行士は防衛医科大学校を卒業後、自衛隊で外科医師・潜水医官として勤務した経歴があり、医師としての経験を持つ宇宙飛行士としては日本人で3人目。その経験を活かし、金井宇宙飛行士には健康長寿に関する課題解決型研究への貢献が期待されている。

 今回の長期滞在ミッションは「健康長寿のヒントは宇宙にある」をキャッチフレーズに掲げて健康長寿につながる知見の取得を目指している。

 滞在期間中、金井宇宙飛行士は生命科学や宇宙医学などの実験のほか、物質・物理科学などの実験を実施、またシステム運用に関わる任務や補給船の物資の搬出入作業などにも携わることが予定されている。

 第54/55次長期滞在クルーは金井宇宙飛行士の他、ロシア国営公社ロスコスモスのアントン・シュカプレロフとNASAのスコット・ティングルの計3人。